#90 部分痩せが出来ないことは30年以上も前に科学的に証明されている


引き締め専門パーソナルトレーナーの荒井です。
『ボディメイクを通じて人々の自尊心を高め、日本を元気にする!』をモットーに活動しています。

お腹周りを優先的に引き締めたい!
背中のハミ肉をスッキリさせたい!
二の腕をシュッとさせたい!


このように、部分的に体を引き締めたいという悩みは、あなたもあるのでは無いでしょうか?

ですが、ある一定の部分だけを引き締めるのは科学的に不可能です。
つまり、部分痩せはできないということ。


部分痩せはできないという結論は、科学的にも証明されており論文も発表されています。

例えば腹筋運動をたくさんやったからといって、お腹が優先的に引き締まるというわけではないのです。
実はこれ、30年以上も前に実験で証明されています。



腹筋をやればお腹が引き締まるわけではない。

Frank I Katchと言う方が1984年に発表した論文です。
https://www.tandfonline.com/author/Katch%2C+Frank+I

この実験では27日間に渡って、腹筋運動をする13名と運動をしない6名とに分けてお腹周りの脂肪やウエストサイズがどうなるかを検証しました。

腹筋運動をするグループは27日間で合計5,004回もの腹筋を行いましたが、お腹周りの脂肪やウエストサイズの変化は運動をしていないグループと比較しても、優位な差が出なかったという結果が出たのです。


何となく腹筋をたくさんやればお腹が引き締まるようなイメージがありますが、あくまでイメージに過ぎないのです。


腕も脚も同様に部分痩せが出来ない。


先ほどの論文は腹筋のみに焦点を当てていましたが、他の部位に関しても同様に部分痩せが出来ないことは証明されています。

こちらはKostekによって行われた2007年の研究です。
http://citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/download?doi=10.1.1.738.6383&rep=rep1&type=pdf


腕の筋トレをした場合の皮下脂肪の変化を調べた実験です。
合計104名の被験者(男性45名、女性59名)に対して12週間、利き腕ではない方の腕に筋トレを実施しました。
その結果、男女ともトレーニングをした腕・していない腕を比較しても皮下脂肪の量に有意差はなかったとのこと。

つまり二の腕の筋トレをたくさんやっても腕が引き締まるとは限らないのです。


『ならば軽い負荷でたくさん動かせば脂肪が減るのではないか?』
と言う仮説から検証を行なったのが、Ramírez-Campilloの2013年に行われた研究です。
https://journals.lww.com/nsca-jscr/Fulltext/2013/08000/Regional_Fat_Changes_Induced_by_Localized_Muscle.23.aspx?fbclid=IwAR0IHgWzlfpB3KKIYNY0609ayc–5XaSg4yk3NJDrCFNGJwYN1gIEbv0DOQh


この実験では男性7名、女性4名を対象に12週間、利き足ではない方の脚の筋トレを実行しました。
やり方は最大の筋力の30%以下の軽い負荷で、高回数実施するという物です。
その結果、先ほどの腕の実験と同様、トレーニングをした方の脚とトレーニングしていない脚とを比較しても有意な脂肪量の減少は認められませんでした。



このようにパーツを問わず、部分痩せは出来ない物ですし、何となく軽い重りで何回もやればその部分が引き締まるような感じもしますが、科学的根拠は弱いと言うこと。


ではどのように気になる部位を引き締めれば良いのか?


以上のことを踏まえた上で、部分痩せは出来ないものということを念頭におきましょう。
脂肪は部分的ではなく、全体的に落ちていく物です。

ボディメイクに裏技はなく、食事改善と運動習慣という王道をいくしかないのです。
ではどんな王道かというと、


①まずは食事のカロリーがマイナスになるようにする。

引き締めるには脂肪量を減少させなければいけません。
しかし、先ほどの論文にもあるように筋トレをすれば脂肪が落ちるわけではありません。

脂肪が落ちるにはカロリーが、
摂取<消費の状態を作る必要があります。

つまりいくら運動しても食べすぎていれば身体は引き締まりません。
ここは食事の記録をアプリなどでつけて、カロリーがマイナスになっているかを確認しましょう。

早くに結果を求めるのは禁物です。


②全身満遍なく筋トレをすること

引き締めたい箇所ばかり筋トレしても効果が薄いからといって、筋トレ自体を敬遠する必要はありません。
要はやり方が大事なのです。

1つの部位ばかり筋トレせず、上半身・下半身・体幹とバランスよく鍛えていきましょう。
そうすることで代謝が上がり、身体が引き締まりやすくなります。

中でも1度に多くの筋肉を使えるバーベルやダンベルを使った筋トレがオススメです。
ただし動作の習得が難しいので、必ず指導者に見てもらうようにしましょう。

まとめ


・パーツに限らず、部分痩せは出来ないことは証明されている。

・軽い負荷でたくさんの回数をやれば引き締まるような感じもするが、これも出来ないことが証明されている

・部分痩せは出来ないことを念頭に置き、食事改善と筋トレに取り組むことが結局一番の近道である。


編集後記


公開を楽しみにしていた『ゴジラVSコング』が緊急事態宣言による影響で延期となってしまいました・・・。
コロナが憎いです!!!

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